NISAがデメリットにもなってしまう「取得価格の更新」にご注意

2013/08/07

NISAの、取得価格の更新という仕組みを知っていますか?知らないと税金優遇のはずのNISAがかえって仇となることもある、ぜひ知っておいてほしい仕組みです。タイミングは非課税期間の5年間終了時!仕組みを知っておくことでもっと確実ににNISAを運用できるようになります。

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もくじ

1.NISAの非課税期間は5年間

2.取得価格の更新って何?

3.非課税期間満了後の流れ3種類

4.取得価格の更新がメリットになる場合

5.取得価格の更新がデメリットになる場合

6.価格更新のデメリットを防ぐための対策

7.まとめ

1.NISAの非課税期間は5年間

NISA(少額投資非課税制度)では、毎年100万円分の投資枠が与えられ、その100万円枠は5年間、非課税になります。

以下の表の、青い矢印の部分です。

この5年間のことを「非課税期間」といいます。

※参考:「非課税期間」とフレーズが似ている「制度継続期間」ですが、これはNISAの制度自体が続く予定の10年間のことであり、全く別の概念です。

2.取得価格の更新って何?

さて、今回のお話はこの5年間が終わった時にどうするか、です。

非課税期間を終えることを「非課税期間を満了する」「満期を迎える」とも言います。

例えば2014年1月にN社株に100万円投資して、2018年12月31日に120万円となって満期を迎えたとしましょう。

非課税期間を満了するとき、NISA口座内の資産の取得価格は終了時の「時価」に自動的に更新されます。

自分は100万円払ってN社株を購入したわけですが、2019年1月1日をもって、120万円で購入したことになるのです。

そして、その後の課税対象となる値上がり益の計算にはこの120万円を起算点とするのです。

この「取得価格の更新」が、その後の動きに大きく響いてきます。

3.非課税期間満了後の流れ3種類

さてさて、非課税期間を満了し、取得価格は120万円になりました。このときのやり方は3つあります。

(1)売却

すぐに120万円の値段で売ってしまいます。120万-100万=20万円の値上がり益を得ることができる一方、税金はかかりません。

(2)通常の証券口座に移す

投資用の口座はNISA口座に限りません。NISA口座はいろいろある投資用の口座(=証券口座)の中のひとつにすぎないからです。

※証券会社のHPを見るとよく「〇〇社の総合証券口座をお持ちの方はこちら」「お持ちでない方はこちら」と2つに分かれています。NISA口座は通常の証券口座をバージョンアップする形で開設するため証券口座を持っていないと開設できません。だからこのように2つに分かれているのです。

非課税期間の5年は終わったけれどまだ値上がりしそうだから保有し続けたい、という時には120万円まるまる通常の証券口座に移す、という作業をすることで保有し続けられます。(通常の証券口座を別で持つことは問題ありません)

ただこの場合は、その後の値上がり益を得ることはできますが、もはやNISA口座ではないので税金も払わなくてはいけません。

(3)ロールオーバー(NISA口座に空きがある場合)

NISAの制度では毎年100万円ずつ投資枠が与えられます(1.の表参照)。なので、2018年に満期を迎えた分を2019年の100万円枠に入れることができます。

このことをロールオーバーと言います。

ただし、ロールオーバーできるのは100万円まで。

そもそも2019年に新規で投資する予定があればその分だけロールオーバー出来る額は減りますし、

この例では120万円に更新されているので、100万円までロールオーバーしたら残り20万円は売却するか、通常の証券口座に移す必要があります。

4.取得価格の更新がメリットになる場合

自分が買った時よりも値上がりしていれば、取得価格の更新は基本的にメリットに働きます。

どういうことかというと、

例えば2014年に100万円で買ったN社株が2018年12月に120万円に価格更新、通常口座に移管、その後2020年12月に150万円に値上がり、この段階で売却したとしましょう(下図のA)。

この場合、価格更新した120万円の地点からの値上がりが課税対象となるので、

あなたが払う税金は

(150万−120万)×約0.2=約6万円

約6万円となります(投資の税金は約20%)。

本当はあなたは100万円でこの株を購入しているので、NISAを利用していないと

(150万-100万)×約0.2=約10万円

約10万円税金を払うところなのですが、

NISA口座内にあった2018年12月までの値上がり分(120万-100万=20万円分)はカウントしないでいてくれているのです。

また、120万円で価格更新、通常口座に移管して2020年12月に110万円で売却したとします(下図のB)。

この場合、自分が購入した100万円の時よりは値上がりしているのですが、価格更新した120万円地点からはむしろ値下がりと捉えられるため、課税されません。

5.取得価格の更新がデメリットになる場合

自分が買った時よりも値下がりした場合です。実はこれ、NISAの中で最も気をつけるべき場面の一つでもあります。

例えば2014年に100万円で買ったN社株が2018年12月にこんどは80万円に値下がり、80万円で価格更新、通常口座に移管したとしましょう。

そして2020年に110万円で売却したとします(下図のC)。

あなたが払う税金は

(110万-80万)×約0.2=約6万円

約6万円です。

本当はあなたは100万円でこの株を買っているので、通常の証券口座でずっと保有していれば税金は

(110万-100万)×約0.2=約5,000円

約5,000円で済むところです。

取得価格の更新というNISA特有のシステムがマイナスに働いてしまい、本来自分が買った値段に戻る分も課税対象としてカウントされてしまうのです。

6.価格更新のデメリットを防ぐための対策

値下がりした上に税金まで余計にかかるなんて事態はぜひとも避けたいところ。

この時に威力を発揮するのがロールオーバーです。

おさらいすると、ロールオーバーとは「NISA口座内で満期を迎えた分を、100万円までであれば次年の100万円枠に移すことができるシステム」のこと。

5.の例で考えると、

2018年12月に80万円になったとしても、2019年に与えられる100万円枠にまるまる入れることができるので、その後5年間の値上がりは非課税になります。2020年の110万円ももちろん非課税です。

ロールオーバーのさらにいい所は、80万円に値下げして価格更新されているので残り20万円分は新たに別の商品を入れられるということです。

7.まとめ

 

●「取得価格の更新」とは、非課税期間を満了するとき、NISA口座内の資産の取得価格が終了時の「時価」に自動的に更新されること

●非課税期間終了後の流れは「売却」「通常の証券口座に移管」「NISA口座内でロールオーバー」の3種類

●購入時より値上がりしていれば取得価格の更新は基本的にメリットに働く

●購入時より値下がりしているときは要注意。

●ロールオーバーは可能であればやったほうが良い

 

NISAでは5年がひとつの大事な節目になりそうですね。

また今回は「値下がり」がネックになっていたことから、できるだけ値下がりしにくい商品を選んだほうがラク、とも言えそうです。

「取得価格の更新」システム。頭を使いますが、お役に立てば嬉しいです!

 

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