中国バブル崩壊か?検証と今後について

2015/10/05

中国株式市場の指数である上海総合指数の下落が止まりません。上海総合指数は2015年6月12日に最高値である5178.19を付けた後、急速に下落し2015年9月10日現在の終値は3197.89になっています。わずか3カ月で38.2%もの下落幅となった上海株ですが、「中国バブルの崩壊」と言えるのでしょうか?様々な面から検証して参ります。

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中国株はバブル崩壊よりも上昇幅の取り消し?

まず見ておきたいのが、中国株(上海総合指数)の2015年に入ってからの動きです。下表1の通り2015年の1月2月にかけては、上海総合指数は3000台前半を行き来していました。それが3月に入ってから急速に上がり始め、6月までの4ヶ月間で5000台を突破しました。それが7月、8月の2カ月で急速に下落して9月に至っています。9月の上海総合指数の水準は3000~3200前後で、これは2015年1月の水準とほぼ同じです。すなわち今の株価水準は2015年初めの水準に戻ったということに過ぎないのです。7月、8月の急速かつ大きな下落を見ると、「中国バブルの崩壊」ということになりそうですが、2015年の上昇幅を取り消したにすぎないと言えそうです。

 <表1 2015年の中国株の動き>

始値 高値 安値 終値
1月 3258.63 3406.79 3095.07 3210.36
2月 3148.14 3324.55 3049.11 3310.30
3月 3332.72 3835.57 3198.37 3747.90
4月 3748.34 4572.39 3742.21 4441.65
5月 4441.34 4986.50 4099.04 4611.74
6月 4633.10 5178.19 3847.88 4277.22
7月 4214.15 4317.05 3373.54 3663.73
8月 3614.99 4006.34 2850.71 3205.99
9月 3157.83 3243.28 3011.12 3197.89

(上海総合指数を元に筆者作成)

 

 

 

中国株の上昇は緩和資金の流入か

では、中国株が2015年の4月から6月にかけて大きく上昇した要因は何でしょうか?株価が上昇する要因として考えられるのは、企業業績、中央銀行の金融緩和、不動産や商品市場と言った他の市場からの資金流入の3つが考えられます。この3つの要素について検証して参りたいと思います。

 まずは企業業績の面からです。1株当たりの利益で株価を割った株価収益率(PER)という指標があります。この指標は株価が割安か割高かを図る目安として標準的な指標です。中国の上海総合指数構成銘柄のPERは2015年8月時点で16.21倍となっています。現在、日経225のPERが19.49倍。NYダウのPERが15.71ということを考えると、日経平均よりは割安、NYダウよりは割高となります。しかし、2014年までの上海総合指数構成銘柄のPERは10倍を切っており、過去のPERとの比較では割高というサインが出ています。PERでみた企業業績面では、中国株は世界の中では比較的割安ですが、過去からの推移では割高と言えます。

 次に中央銀行の金融緩和面ではどうでしょうか?中国経済の成長率目標と景気の下支えの為に、中国の中央銀行である中国人民銀行は2014年から5度にわたる利下げを行っています。このうち、2回目と3回目の株価が上昇トレンドの中での利下げとなっています。利下げは、株式を購入する資金を調達するコストを下げることになり、株価の上昇を招くことが多いです。2015年上半期はGDPの伸び率が低い中で世界の株式市場が上昇しており、利下げをすることによって株価の不用意な上昇を招く懸念があったとは言えます。しかし、中国人民銀行はGDPといった低迷する経済指標を受け、株価の不用意な上昇という副作用があることは承知の上で、利下げを行ったように思われます。

 

<表2 中国人民銀行の利下げ>

回数 時期 政策金利の下げ幅 政策金利(利下げ前)→(利下げ後)
1回目 2014年11月 0.4% 6.00%→5.60%
2回目 2015年2月 0.25% 5.60%→5.35%
3回目 2015年5月 0.25% 5.355→5.10%
4回目 2015年6月 0.25% 5.10%→4.85%
5回目 2015年8月 0.25% 4.85%→4.60%

 (出所:ロイター、ブルームバーグ、みずほ証券のレポートから筆者作成)

 

 最後に、不動産や商品市場からの資金流入という面を見てみます。表3からわかるとおり、2015年2月には2ケタ台の伸び率であった中国の不動産投資前年比伸び率は徐々に減少し、2015年7月には対前年比4.3%の伸び率にまで低下しています。また、石油価格や鉄鉱石を始めとする各種資源価格も2015年に入り低調です。すなわち、不動産や商品市場といった他の市場が低調なため、株式市場に資金が流れ込んだと言えそうです。今回の中国株の株価乱高下の因果関係をまとめてみると、以下であると言えそうです。

 

<表3 中国不動産投資の前年比伸び率推移>

前年比伸び率
2015年7月 4.3%
2015年6月 4.6%
2015年5月 5.1%
2015年4月 6.0%
2015年3月 8.5%
2015年2月 10.4%

(出所:中国国家統計局)

 

1.中国人民銀行が金融緩和を実施

2.不動産。商品市場が不調のため、緩和された資金が株式市場に流入

3.株価が急上昇し、実体を反映しなくなる

4.何なかのネガティブ報道(この場合は中国人民元レートの切り下げ)を受けて、株価が下落に転ずる

5.根拠な株価上昇の為、急速に株価が下落

今後はどうなる?

今回の中国株の上昇が中国人民銀行の金融緩和をきっかけにしたものだとすると、今後はどうなるでしょうか?GDPを始めとする中国経済の各種指標は景気減速を示唆するものが増えており、中国人民銀行が景気の下支えのために金融緩和をしばらく続ける可能性は高そうです。問題は、金融緩和によって株価が上昇するかどうかですが、現在は中国だけではなく米国や日本の株式市場も低調であり、資金投資先としての魅力はあまりないように思われます。中国株が2015年上半期のような急激な上昇局面に向かう可能性は低いと言えるでしょう。

 

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を奨励するものではありません。

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